英語が苦手な子供達の為のELLプログラムとは

こんにちは、ハワイぐらしです。
学校も始まって1週間。キンダーさんは今週からですね。
新生活、いかがお過ごしでしょうか??

海外生活第一歩の、すごく基本的な疑問。

「全く英語ができないこども達が、いきなり現地校に入ってしまい、どうなっちゃうの?」

と思うわけですが、アメリカはそういったこども達の受け入れに慣れております。

慣れている。と言うのは語弊がありますね。
法律で、全ての子供達のニーズに合った教育を与えなければいけない。
と定められているので、英語が出来ない子供たちにも設立されているプログラムがあります。

ELLプログラムが、公立小学校、中学校、高校には必ず設けられている

ELLプログラムが、そのひとつ。

ELL-English Language Learners とは、英語以外の言語を母国語とする(家ではそれを話す)生徒達のことをいいます。
移民、留学、こちらで生まれたけれども両親が英語を話さないとか、いろんな境遇の生徒達があてはまります。

(一昔前は、ESL-English as Second Languageと言われていました)

アメリカ、いろんな国の人が行き来する国なので、こういう生徒達をサポートするためのELLクラスが普通の公立校に(かなり昔から)あるわけです。

現在ではアメリカ全体のキンダー(年長)から12年生(高校3年生)の約10.5%がELL生徒ということらしいです。
といっても、移民が多い州や、ハワイひとつとっても、外国人が多い地域とか様々なので、
学校によって導入されているELLシステムも違います。

我が家の子ども達も、もちろん、この枠に入るわけです。

私も15歳の時ハワイに引っ越ししてきた際、高校でELL(当時はESL)のクラスをとっておりました。
1日6時間の授業のうち、半分くらいはELLのクラスでした。
社会も、国語もELLのクラスがあって、更に初級ELLのクラスもあって、アルファベットの書き方からやっていた記憶が…。
なので、クラスの中は常にすごく異文化、マルチカルチャー(笑)
中国、韓国、ベトナム、ラオス、マーシャル、台湾、フィリピンの子ども達がみんな同士でした。
学期終わりのポトラックパーティーは、ちょっとした他国籍レストランに負けないくらいの品揃えで、
そこで初めて食べたキンパ(韓国の海苔巻き)が大好きになりました。

ちなみに、現在は、高校でのELLクラスは減少傾向にあります。
昔みたいに、社会も理科も国語もELLがある学校は少ないと思います。

ELLのタイプは学校によって異なる

中学校や高校は、生徒が科目を選択するので、体育や外国語を取らない代わりにELLクラスをとったり出来ます。
なので、ELLの先生が、みっちり1時間、ELLの生徒を集めて授業をします。
といっても、生徒のレベルは様々なので、レベル分けしている学校、みんな一律の授業の学校、と
学校によって違います。

小学校の場合は、選択制ではなく、クラスごとの時間割があります。(日本の小学校と同じ)
なので、ELLの生徒達は、通常クラス時間にちょっと抜けるか、ELLの先生が通常クラスに入ってヘルプするか、
放課後にELLの授業を受けることになります。

ちょっと抜けるタイプーPull Out
週に3回、45分前後、通常クラス時間に中抜けして、ELLの教室に行き、先生とほぼマンツーマンでレッスン。
学校によって、週に4回だったり、1時間だったり、放課後や朝の時間も活用したりと、様々です。
中抜け時間も個人個人によって違ったりします。先生はその子のレベルに合わせたカリキュラムを組んでくれます。

先生が通常クラスに入ってヘルプするタイプーPush In
生徒が抜けると、通常クラスの授業をその間、受けられないので、支障が出る場合は先生が出向く。
という手法がとられます。比較的、生徒の英語レベルが上がってくると、この方法が効果的なようです。

コンピュータープログラム
コンピューターのプログラムも導入されており、学校でも家からでもログイン出来ます。
ゲーム感覚で出来る楽しい系プログラムなので、地道に続けると、英語力がついてきます。

Imagine Learning

私の時代には無かったものです…。ひたすらプリントやってました。
25年の歳月ってやはり四半世紀っていうだけありますね。

ELLの利点、懸念点

通常クラスを中抜けすると、普通授業の遅れがでるのではないか。という懸念点はあります。
でも、当時ハワイに来たばかりの長女に言わせると、
「国語授業はいても全くわかんないぐらい難しいから、ELL行ってるのがちょうどいい、その分私は他の勉強してるし」
と言っていました。
その辺の帳尻は追々あっていくのかと思います。

ELLのクラスで初歩的な英語を教えてもらい、普通のクラスに戻ったら、高度な英語授業を受ける。
二つの極端な英語レベルの同時進行をこどもたちは毎日こなしております。

長男は当時1年生だったので、そこまで極端にレベルの差はないものの、
長女は5年生でしたので、かなりの差を埋めていく、近づけていく作業を毎日の勉強でしていたわけです。
同時進行だけど、高度な方は、どんどん進んで行くので、差がひらいていく。
だから、一向に追いつかないのではないか。と心配になりますが…

どこかでスピードアップする地点がきます!

これは、個人差があるので、なんとも言えず、親はサポートしつつも気長に待つことしかできません。
年齢的に早めの段階で来る子もいれば、全体の学力がついて来た高学年、中学生、高校生で来る子もいます。

ELLプログラムの最終的目標はネイティブの英語力に近づくこと

ELLの最終目標は、ELLをとらなくても大丈夫。になること。
差がばっちりなくなって、ローカルの子と同じように授業を受けて、理解できるようになることです。

これを毎年1月に行われる全国一斉ELLテストの点数で判断します。
学校で、オンラインで行われるテストです。

  • 聞き取り(Listening)
  • 会話(Speaking)
  • 読み(Reading)
  • 書き(Writing)

の4項目から成るテストです。
5月に採点結果が戻ってきます。そこで、総合点5.0以上獲得していれば、晴れてELL卒業!となります。

こちら、テストの概要などのHPです。(情報満載ですが…テストのデモなどもあります)
WIDA

しかし、このテスト、ネイティブの子供達がとっても難しいのではないか…と言われるぐらい難易度が高いです。
学年によってテストレベルが分かれており、中学生になると、学力によって分かれます。

出来るだけ、初めてテストを受けたときから、5年の間にパスすることを推奨されていますが、
もちろん個人差ありです。

ちなみに、我が家の長女は、3回目のテストでパス。(ハワイに来てから2年半後、1回目のテストは来て1ヶ月で受けたので)
末っ子は2回受けましたが、まだパス出来ず。
長男は4回受けていますが、まだパス出来ず。あと2年以内にはパス出来れば…という状況です。

パスしても、しなくても、
生きてくには、英語以外にも力発揮できるものあればいいわけですし、
生活力、適応力、優しい心。が何よりも大事だと思うので、焦らず、頑張っています。

私も、仕事で英語は使用しておりますが、もちろんネイティブの人には到底及ばないわけで。
でも、3人の子供を育てている。英語と日本語で教育を受けて来た。子供と親の立場、両方を経験している。
の土台にちょこちょこ上乗せして、なんとかやっております。

焦らずコツコツ続けること。何事も経験。の積み重ねで、頑張りましょうー。

 

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