英語力は4つのコンポーネントから成る。では、どこに力を入れるのか。

英語力をはかるテストは大抵4つのコンポーネントから成り立っています。
ELLの子供達が1年に一回受けるWIDAのACCESSも、留学する為に必要なTOEFLも、日本では最もポピュラーな英検も。

英語力をはかる4つのコンポーネント

  1. リスニング
  2. スピーキング
  3. リーディング
  4. ライティング

日本に住んでいる子供達は、中学校ぐらいから本格的に英語を習うので、
リーディング、ライティングは強いけれど、
リスニング、スピーキングが弱い。という傾向にあると思います。
なぜなら、日本に住んでいると、リスニングとスピーキングをする機会が無いから。
リーディングとライティングは、授業やテストなどでやらなければいけないので、
単語をたくさん覚えたり、文法学んだり、する中でそこそこ出来るようになります。

移住して、現地校に通う子供の英語習得ステップ

では、移住して来た子供達は、どんなステップで英語を習得していくかというと…
現地校に通うようになると、周りが全部英語を喋る人、先生も生徒も、なので、
必然的に、リスニングのインプットが多くなります。

  1. まず最初に、何を言っているのか、言われているのか、わかるようになる。
    (リスニング)
  2. その後、少しづつ自分の言いたいことが言えるようになり、
    (スピーキング)
  3. 授業で、本を読んだり、ワークシートをやるようになると、少しづつ読めるようになり
    (リーディング)
  4. 授業の中で、絵日記や、レポートなどの宿題がでるので、少しづつ書けるようになる
    (ライティング)

こんな感じのステップだと思います。

移住のタイミングが小学校高学年以上の場合

でも、移住して来たタイミングが、小学校高学年以上になると、スピーキングが、最後になる場合があります。
読み書きは、日本語で出来ているので、英語でも早くに出来るようになるけど、
喋りは、恥ずかしさが手伝ってしまい、なかなかスムーズにいかない。というわけです。我が家の長女は小5で移住して来たので、完全に上記のパターンです。
日本語で本を読むのが好きだったので、日本語が英語になっても、「読むのが好き」という確固たる「好き・得意」があるので、英語の読みは早い段階で出来るようになりました。日本語で小説を書いたり、演劇部の為に脚本を書いたり…と、書くことも得意だった彼女。日本語が英語になっても、自分の意見をまとめて「順序良く書く」という基本があるので、移住2年後ぐらいにはそこそこ書けるようになっていました。しかし、スピーキングに関しては、周りのお友達が日本語を話す子が多い。
ということもあり、なかなか上達いたしません…。

今だに貯金している段階のようです。

リーディングとライティングは自然に身に付かない

移住期が、小さい頃なら、1ーリスニング、2ースピーキングは、自然と身につきます。
高学年以上であっても、1ーリスニングは自然と。2ースピーキングは時間はかかるかもしれないけれど、なんとか。
しかしながら、リーディングとライティングは、ただ学校に行っているだけでは、
なかなか身に付かない。のが正直なところです…。
リーディングは、まず単語を読めるように、頑張ります。
英語の読みは、単語ひとつとっても、ルールがありすぎて、しかもルールがあってないようで…複雑です。

Phonicsという発語のルールを理解しなければなりません。
こちらの記事に詳しく書いております。
>子供が英語で文字を読めるようになるにはーPhonicsについて

“Know” は  “K”  が  “サイレントK”  と呼ばれ、発音せず、ノウ と読むとか、”at”  は “アット”、”m” が前についたら、マット。  “c” がつけば、キャット。  “s”がついたら、サット。など、など。日本語は、「あ」を「あ」としか読みませんが、英語は、”a” を “apple” “mail” “car”と読む時、”a” が、違う読み方になっていますよね。”a”の前と後ろに付く文字で、違う発音になるので、読み方が膨大な数になっていくのです…。

これらの読み方は、Kindergarten(年長さん)で習うのですが、もう、読む回数を増やして、覚えるしかない。と思っています。

英語をペラペラと話す子でも、アルファベットは書ける子でも、Cat や Fish が読めない、書けない。という事があるので、Phonicsを踏まえた上で、練習・訓練です。

まずは、読めるようになる。ところから。
お店のサインを読む、メニューを読む、本を読む、なんでも読む。
最初は、読んであげて、リピートさせるのがいいですね。
少し読めるようになったら、自分で読ませて、出来たら、褒める。
の繰り返しです。

読めるようになったら、ひとつチェックしてもらいたいのが…
読んでいる内容が、頭に入っていて、理解しているかどうかです。
Reading Comprehentionー読解力。

読んではいるけれど、読解力が伴っていない。
ただ、文字を読んでいるだけ。
という英語でも日本語でも、ビギナーズリーダーによくある事です。

なので、読めていたら、簡単な質問をして、本当に分かっているかチェック。
をしてあげてください。

ライティングは一番難しいステップ

読めるようになって、スペリングも何となくわかってくると、書けるようになる…
かと思いがちですが、ライティングは、すごく難しいステップなのです。
でも、学校だと、1と2を習得している間にも3と4をやっていかなければならないので、
なかなか読めない。なかなか書けない。という事態になります。大変ですね、子供達はおそらくいっぱいいっぱいになります。ライティングは、自分の思った事、考えた事を話すのではなくて、
書く。のですから、順序良くまとめる力、わかりやすく伝える力が、
話すよりも、もっと必要になります。でも、最初は、シンプルな文章から始めましょう。

子供たちのライティングを見ていると、
I went to beach yesterday. I swam. It was fun.
「昨日はビーチに行った。泳いだ。楽しかった」みたいなパターンを良く見かけます。非常にシンプルです。どこで何をして、どう思ったか。は書けています。
子供達も、「おーわり!書いた!」と言って、終わりにして、次は絵を描きたい!!
とか言います。でも、もうちょっと、足してみよう。と促します。誰と?何時頃?どこのビーチ?水は冷たかった?陽は出ていた?どれぐらい泳いだ?
楽しかった、を違う言葉で言ってみようか。
また行きたい?今度は何をしてみたい?

スペリングやグラマーは、この際気にせず、どんどん書いたら良いと思います。

そして、面白い事を書いていたら、褒める。

そうすると、だんだんと書くことに慣れていき、たくさん書けるようになります。

これも、練習・訓練です。

想像力、アイデアで足りないライティング力を補う

ハワイ移住して9ヶ月目、長男が2年生の時の話です。

現地校の担任の先生が、長男の英語の文章を褒めてくれました。
これは、今考えても、彼のコアな部分を見てくれたんだなーと嬉しくなる出来事でした。

今現在、移住4年近くになり、長男は5年生になりますが、
日本語でも英語でもライティングはかなり苦手です。
スペリングが、グラマーが、文章構成が、漢字が、もうガタガタです。
でも、アイデアがあり、面白いことを書く人です。

彼の作った本を、見て欲しい!ということで、その本を見せてもらいました。
その本はクラスで行ったプロジェクトで、
まずみんなでキャラクターを決める。
・男の子と女の子がいました。名前は◯◯です。
セッテングを決める。
・ビーチのコテージに住んでいました。
それぞれ各自でプロブレム(問題)を設定して、解決策を見つける。
・暑い、寒い、◯◯が無い、etc….

という流れで自由に、自分でストーリーと絵を書く。(4~5ページ)というものでした。

Problem Solvingですね。

息子が書いたストーリーは、
プロブレムー大きな窓から、日差しが入り、とっても暑いので…
解決策ー庭にパパイヤの木を植えて、日陰をつくり、家はとっても涼しくなりました。
おわり。
というものでした。
先生が「パパイヤの木を植えるなんて、書いたのは、彼だけですよ!すごくいい考えだと思った」と感心してくれました。
パパイヤの木
文章構成も、スペリングもグラマーも、合っていないところは多かったのですが、
自分で考えて、オリジナルのものを書いた。という部分が良かったですし、
何より、先生が、長男のいい部分を見つけてくれて、褒めてくれたことが嬉しかったです。

本を読んで、色々な経験をして、発想力を高めて、書く

リーディング力を高めるには、とにかく本を読む。
最初は音読から。どんなものでもいいです。コミックでも、なんでも。
出来れば色んなジャンルの本を。と言われますけれども、子供も興味のないものは、読んでも楽しくないですからね。
好きなものを読めばいいと思います。

外で遊んだり、ゲームしたり、旅に行ったり、お手伝いしたり、
いろいろな経験から、発想力が高まり、想像力が広がると思います。

その経験が、書く時に絶対に役に立ちます。

今日も一人の生徒がクラスに入ってくるなり、

「週末に何をしたか、書くアクティビティーやる??」と言ってきたので、

「うん?やってもいいよ。何で?」と聞いたら、

「日曜日にとっても嬉しいことがあったんだ!その事書きたいんだ!」と。

自分から「書きたい」と言って来た彼は、前回よりもたくさんの事をスラスラと書き上げました。

Self motivated ですね。自分からやりたい。って思うと強いです。

楽しいことや嬉しいことがあったら、伝えたい!書きたい!って思うみたいです。
悲しいことや、ガッカリしたことでもたくさん書けるようになるのは、もうちょっと大人になってからかな。

色々な事をして、色々な考えや感情を貯めていってください!!
リーディングとライティングに絶対役に立ちます。

この2大柱を制覇したら、真のバイリンガルになれまーす。
私もまだなれていません!!
少しづつ、少しづつのステップなので、焦らずに。もポイントです。

パパイヤの木

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